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みんな、映画に教わった。 [昭和-平成、往ったり来たり]

P1030925b-100.JPG    昭和-平成 往ったり来たり -20

         みんな、映画に教わった。

            銀座のロードショー劇場と日比谷映画街

1966 MGP0137.JPG 1966


青春時代…、というのは1960年代の話。

映画は、家庭に浸透してきたテレビにじわじわと追い上げられていたが、

総天然色、ワイドスクリーン、ステレオ大音響の迫力で

娯楽の王者としての座は、揺るぎないものだった。


日頃は仕事で疲れ切っていたせいもあって、

映画は娯楽、と割り切っていた。

深刻で暗いもの、芸術作品ですといいたげな重いものは、御免。

明るくて、楽しくて、スカッと後味の良いものが好きだった。

するとどうしてもそれは、

徹底した娯楽路線をとっていたハリウッド映画ということになる。

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                               1967(リバイバル)
1960 MGP0070.JPG 1962 IMGP0078.JPG 
             1960                     1962

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  1966
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                   1964               1969
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            1961                       1963

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                             1962
       

特にハリウッドの大作は、テレビの対抗策として、

金に糸目をつけずにエスカレートの一途を辿っていた。

シネマスコープ、ビスタビジョン、パナビジョン、トッドAO……

極めつけは70ミリ映画とシネラマだ。

「天地創造」「十戒」「偉大なる生涯の物語」に代表される聖書もの。

「ソロモンとシバの女王」「スパルタカス」「ベン・ハー」「エル・シド」
「ローマ帝国の滅亡」などの歴史劇。

「栄光への脱出」「ドクトル・ジバゴ」などの文芸作。

「荒野の七人」「シャイアン」「アラモ」などの西部劇。

「大脱走」「ナバロンの要塞」「史上最大の作戦」などの戦争巨編。

「80日間世界一周」「おかしなおかしなおかしな世界」などのシネラマ大作。
「サウンド・オブ・ミュージック」「ウェストサイド物語」「メリー・ポピンズ」
などのミュージカル。

「ミクロの決死圏」「2001年宇宙の旅」などのSF映画……。


2001 1.jpeg 1968

思えば、本を読む暇など無く、

世界名作はほとんど、映画によって(概略を)学んできた。

映画の製作規模が、エキストラの動員数で語られる時代でもあった。

(今ではCGで数万の大軍もお好み次第)

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                       1963                                   1966                                    

1967 IMGP0142.JPG 1964 IMGP0082.JPG       
                      1967                                    1964                      

1967 IMGP0149.JPG 1967      

マリナ・ブラディの「恋愛時代」「女王蜂」に見るフランス映画の奔放さや、

マリア・シェルの「居酒屋」「女の一生」に見る文学性。

アントニオーニの「情事」「太陽はひとりぼっち」など、モニカ・ヴィッティ主演のイタリア映画の文芸作も好みだったが、

明るさにおいては、やはりオードリー・ヘップバーン、マリリン・モンローの魅力に歩がありそうだ。

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                 1962                  1961        

1961 IMGP0072.JPG 1961ティファニーで朝食を.jpg         
   1961                       1961                          
                                                                                         
普段は場末で、一人で2本立ての映画を観ているのに、

デートとなれば、ハレの日。奮発してロードショーねらいとなる。

川崎に居たから、どちらかというと横浜が近いのだが、

東京もさほど変わらない。

横浜は別のデートコースで、映画はもっぱら銀座、日比谷だった。

「マイ・フェア・レディ」は有楽座だったし、

「栄光への脱出」はスカラ座。

「ウェストサイド物語」はみゆき座ではなかったか。



1964 IMGP0132.JPG 1964 

1952 IMGP0050.JPG 2001 1.jpeg  
       1952(リバイバル)                     1968 

何回目かのリバイバルだが自分は初めての

「風と共に去りぬ」は銀座で観た。

「ベン・ハー」「アラビアのロレンス」「2001年宇宙の旅」はテアトル東京で。

3作ともそびえ立つシネラマの大スクリーンの前列で、

映し出される砂漠や宇宙のスケールに、文字通りのけぞった。

帝国劇場も当時は超話題作を上映していたし、東劇もよく利用した。

海外旅行は夢のまた夢の時代、

洋画こそ、世界を知る窓だった。


■現在の「テアトル東京」 銀座

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IMGP0182_edited-1.jpg 1960年代のテアトル東京


■現在の日比谷映画街
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         日比谷シャンテ(元・日比谷映画)

P1170928のコピー.jpg 1954 IMGP0151.JPG 1954
日比谷映画街のランドマーク「ゴジラ」とウォーク・オブ・フェーム(下)
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             このたびの大震災にも、多額のご寄付をいただきました。

                 

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オーブン当時の日比谷スバル座。ガーシュインの「ラブソディ・イン・ブルー」がかかっている。この映画はマゼンタとシアンの二原色カラー映画だった。

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宝塚劇場と同館内にあるスカラ座、みゆき座
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      右は終戦直後、進駐軍がアーニー・パイル劇場の名で利用した東京宝塚劇場


映画は、先進のテクノロジーを真っ先に採り入れる技術革新によって

いつも時代の最先端であり続ける。

けれども、映画が最大の娯楽であった時代の再来は

期待できるのだろうか。

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こんな風景が残っていることが、なんともうれしい。


※記事中の映画タイトルの製作年度は順不同です。

※ポスターに記した年度は上映年です。製作年度と違う場合があります。

※映画ポスター写真は「スクリーン特編版 チラシ大全集」から使わせていただきました。





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コメント 42

S_S

ゴジラのポスターが懐かしいです♪
何となく、昭和って誰でも夢の持てる時代だったような気がします^^

by S_S (2011-10-10 18:55) 

般若坊

懐かしい映画ポスターが満載ですね!数えてみたら結構見ています。
今はDVDでいつでも見られる点は評価できますが、切符の半券を持ってわくわくしながら座席に向かう期待と興奮は、映画館特有の物ですね。
by 般若坊 (2011-10-10 20:05) 

駅員3

我が家のM38君が、日本に籍を移したのが1960年ですから、これらの映画の世界を駆け抜けてきたんですね!
by 駅員3 (2011-10-10 20:45) 

ぼんぼちぼちぼち

十戒 中学だか高校だかのとき、課外授業のひとつとして 渋谷に観に行きやした。
一応寄り道禁止なわけでやすが、その後、渋谷の繁華街にウチの学校の制服が溢れ返ったことは言うまでもありやせん(◎o◎)b

by ぼんぼちぼちぼち (2011-10-10 21:16) 

くまら

十戒は、ゴールデン洋画劇場で何度も観ました~
懐かしい!
日比谷にこんなとこが有るとは、知りませんでした^^;
by くまら (2011-10-10 23:54) 

路渡カッパ

懐かしい懐かしい・・・!
C.ヘストンの映画はよく観ました。西洋の甲冑もの史劇ものが大好きで。(^_^ゞ
エル・シドはDVDも買って、永久保存版だったりします。
中学、高校かな?の頃はお小遣いに余裕があれば、雑誌スクリーンなんかを買ってましたよ。
・・・女優の写真がお目当てでしたけどね。(゚ε゜;)
by 路渡カッパ (2011-10-11 00:19) 

pace

日比谷映画街はやはりハレの場でした
普段は新宿の名画座ばかりでしたから
朝一は指定も無く一般料金でA指定で見られましたよ
テアトル東京は断然別格でしたよね
by pace (2011-10-11 06:08) 

sig

ぼんぼちぼちぼちさん、こんにちは。
「十戒」で私は映画のすごさというものを知ったような気がします。学校で行く映画鑑賞は楽しみでしたね。「文部省推薦」時代が懐かしいです。笑
by sig (2011-10-11 08:40) 

sig

S_Sさん、こんにちは。
確かにあのころは経済は上昇志向でしたから、成長を実感できましたね。夢が持てた時代でした。
by sig (2011-10-11 08:41) 

sig

般若坊さん、こんにちは。
映画が至上の娯楽であった時代ならではのお話ですね。
映画館というのはあれだけ大勢の人が入っていて、みんなひとりひとりの時間を持っているというのも、考えてみると面白いですね。
by sig (2011-10-11 08:44) 

sig

八犬伝さん
kurakichiさん
          こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-11 08:45) 

sig

駅員3、こんにちは。
そうですよ。みんながあこがれたハリウッド映画は、M38君からの最高のプレゼントでしたよ。
by sig (2011-10-11 08:47) 

sig

yukiさん
nikiさん
sanaさん
          、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-11 08:48) 

sig

くまらさん、こんにちは。
くまらさんは「十戒」はTV世代ですものね。あの映画はセシル・B・デミル監督が一度無声映画時代に作ったものを、大画面、カラー時代になって自分で作り直したものなんです。映画館では、それは圧倒的な大迫力でした。
by sig (2011-10-11 08:52) 

sig

路渡カッパさん、こんにちは。
「エル・シド」、よかったですね。大好きな映画です。まだ8ミリ映画の時代にTV放映されたものを(もちろんモノクロの四角画面)、タイトルだけ(フィルムが高いから)撮影してしまっておきました。今はDVD、BDで丸ごと手元におけるなんて、夢のようです。
各国とも素敵な女優さんばかりでしたね。 女優さん特集もしたいですが、
肖像権がどうとかで、無理でしょうか。
by sig (2011-10-11 09:05) 

sig

paseさん、こんにちは。
当時は映画を見に行くこと自体、わくわくできましたね。笑
そういえば、テアトル東京も東劇も、新しくなってからは行っていませんね。

by sig (2011-10-11 09:08) 

sig

アヨアン・イゴカーさん
あらみてたのねさん
          こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-11 09:58) 

hi−ragi

コースター完成しましたのでメールを送りました。
返信お待ちしております。(^_^)
by hi−ragi (2011-10-11 11:58) 

うさ

>洋画こそ、世界を知る窓だった。
あ、なるほど! そういうことでしたか。私はまた…
洋画こそ、女性を知る、とか、デートに役立てるとか、恋愛を知るとかそっち方面に結びつくのかと思っていました(笑)。いえいえ、紳士なsigさんにはそんなことは必要なかったと反省。。。
by うさ (2011-10-11 13:30) 

響

昭和の風景がいいなぁ。
映画は夕日のガンマンなめっちゃ懐かしいです。
大好きでした。
続では棺おけからマシンガンが出てきたっけ?

by (2011-10-11 21:44) 

sig

okin-02さん
お茶屋さん
          こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-12 00:12) 

sig

cinqueさん、はじめまして。こんばんは。
ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-12 00:13) 

sig

hi-ragiさん、こんばんは。
思いがけなく大サービスのようで、申し訳なく思っております。とても楽しみです。
by sig (2011-10-12 00:15) 

sig

うささん、こんばんは。
あはは・・・。おじさんをからかっちゃだめですよ。でも、ずばり本心を見抜かれてしまいました。カッコつけても、うささんには通じませんでした。ガクっ
by sig (2011-10-12 00:18) 

sig

響さん、こんばんは。
マカロニウェスタン、大ヒットでしたね。それにしても、クリント・イーストウッドさんは大したお方ですね。続では棺おけからマシンガン・・・、もうすっかり忘れちゃいました。007シリーズ第一作「ドクター・ノォ」も1962年だったかな。

by sig (2011-10-12 00:25) 

sig

sazanさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-12 00:26) 

urara☆

私の所は映画館が時々しかしてない田舎でしたし、
テレビ世代なので、殆ど、たぶん、あとあとのテレビの洋画劇場などで見てま~す^m^
でも、ゴジラはリアルで見たかな!とても怖かった印象が強いですが、
モスラとザ・ピーナッツにも強烈な印象を受けました世代です^^;
by urara☆ (2011-10-12 14:22) 

tomickey

21世紀を夢見ていた時代からそれが現実にそして一部は過去になっている現代のなかでこれから先はどんな題材が主流となるか想像がつかないです~
南京ではniceが押せないのでコメントにて失礼致します(^_^)
by tomickey (2011-10-13 00:08) 

sig

えーちゃんaaaさん
コトきゃんさん
machinekoさん
ryo1216さん
          こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-13 10:54) 

sig

urara☆さん、こんにちは。
私はゴジラ世代だと思いますが、「ゴジラ」はリアルタイムではなく、のちのちTVで見ました。でも「モスラ」はしっかり映画館で観ました。ザ・ピーナッツを見に行ったんでしょうね。怪獣映画はモスラまでで、あとは大人の映画を見るようになりました。「モスラ」はちょうど子供と大人の過渡期でしたね。

by sig (2011-10-13 11:01) 

sig

tomidkeyさん、こんにちは。
1960年代はほんとに夢を抱ける時代だったと思います。その夢を煽り立てて、さらに元気にしてくれたのが映画だったような気がします。今の時代も、映画がそのように働きかけてくれることを願っています。

by sig (2011-10-13 11:06) 

sig

m6324さん
Ja-kou66さん
花火師さん
ChinchikoPapaさん
ボルンさん
あいか5drrさん
           こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-13 11:06) 

kawasemi

夕陽のガンマン、好きです。
テーマミュージックも良かったですね。
西部劇はどこへ行ったのでしょう。
by kawasemi (2011-10-13 11:07) 

puripuri

懐かしいわ~ ほとんど見たとは言へないけれど、、当時の映画館は地元(故郷)でした。
スクリーンミュージックも良かったですね(●^o^●)
今でもTVで放送されたりすると見てるんですよ。
by puripuri (2011-10-13 21:38) 

sig

kawasemiさん、こんにちは。
日本の時代劇衰退と同様、アメリカではもう何年も作られていませんね。
すると時代考証などが分からなくなってさらに作りにくくなるなど、悪循環ですね。
by sig (2011-10-14 00:11) 

sig

e-g-gさん
キクさん
lamerさん
masao。さん
とらさん
flutistさん
          こんばんは。ご来館ありがとうございます。

by sig (2011-10-14 00:14) 

sig

puripuriさん、こんばんは。
puripuriさんも映画がお好きなんですよね。こう見ると1960年代というのは本当にすごい時代だったと思います。その時代に出会えた私は幸せだと思っています。
by sig (2011-10-14 00:16) 

sig

SIKENTさん
今造ROWINGさん
           こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-14 18:43) 

アヨアン・イゴカー

名曲ですね。この女性歌手の声も、乱暴なサキソホーンの音も、歌っているサキソホーンも本当にとても魅力的です。旋律線は至って単純なのに。やはり単純なものが本質的で、力強いのかもしれません。
by アヨアン・イゴカー (2011-10-15 16:00) 

sig

アヨアン・イゴカーさん、こんばんは。
この60年代はイタリア映画もパンパン封切られて、みんなヒットしていました。
どの曲もアメリカ映画にはない、粗野な?曲調・歌い方でした。それがとても新鮮で、大好きでした。この投げやりな感じ、退廃的な映画の内容にぴったりですね。
by sig (2011-10-16 00:17) 

sig

ともちんさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-21 20:23) 

sig

hayama55さん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-11-12 17:16) 

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