東京駅復元で陽の目を見た、幻の壁面レリーフ。 [昭和-平成、往ったり来たり]
東京駅復元で陽の目を見た、幻の壁面レリーフ。
10月1日、創建当時(1914・T3)の姿に復元された東京駅。
すでに物見遊山の人々のにぎわいは納まったようで、
人の流れは速く、中央駅としての日常が戻っている。
その中で、私にはぜひとも確認したいことがあった。
それは、前にこのブログに書いた巨大壁面レリーフのことだ。
あれはこのたびの復元工事で、どう扱われたのか。
復元に当たった鹿島建設のホームページや駅の案内パンフレットのどこにも
その記載が見当たらない。
とても気がかりだった。
■以前の記事 2011.9.3掲出
「4年前の新聞記事。その後が気にかかる」東京駅に埋もれていた、幻の壁面大装飾
http://fcmfcm.blog.so-net.ne.jp/2011-09-03
戦後間もない1947(S22)年。
ようやく再興したばかりの東京駅の内部に、
GHQの鉄道事務所が設けられることになった。
床面積は500平方メートルという大理石張りの広い空間。
延べ54メートルにも及ぶ三方の壁の高さは3.2メートル。
この巨大な壁面をどう飾るか。
そこで検討されたテーマは
新しい日本国始動に向けての国民の心意気を伝えたい、ということだった。
こうして実現したのが、石膏レリーフによる
全国の名所・特産を描き込んだ日本全図と、
江戸から京都までの名所を織り込んだ、東海道の旅の様子だったという。
進駐軍を驚かせたこの壁面レリーフは、
その後1970年代に、そのスペースが駅の事務室となった折に設置された
新しい壁面の後ろに隠されてしまった。
復元を終えた東京駅に、見事に復活していたのだ。
ほぼ40年ぶりの公開。
場所は東京駅の南端近く。京葉線改札口に続く地下通路。
位置的には「東京国際フォーラム」に近い。
石膏レリーフは、最初から着色されていたものか、変色か
ほとんどチョコレート色だ。
けれども、そこには確かに
新しい日本に向けての旅立ちの気運が、色濃く漂っている気がした。
東京駅巨大壁面レリーフの話は、10年ほど前に
友人の父君から伺ったことが、私の興味の発端だった。
その方は当時GHQの通訳として、進駐軍にレリーフを紹介されていた。
それが十年程前、覆いの陰でほこりを被っている現場を訪ねて
何とか復活させたいと語っておられる記事が、新聞に掲載された。
頂戴したその記事は残念ながら7年前の転居で失ってしまった。
そして、その方は昨年90歳で亡くなられた。
再び展示されたこの姿を目にされたら、どんなに喜ばれたことだろう。
by sig
八重洲側からだと京都から江戸への旅となる。
日本全国のレリーフ 以下の写真は部分拡大
関東
東北
中部 中央は東照宮
駕籠で旅をする女性
飛脚
鎌倉の流鏑馬
江戸の風景 富士山を背景に千石船の船出
左は京葉線の改札。こちらからだと江戸から京都への旅となる。
●1ギガまで、あと7メガです。
このような素晴らしいレリーフがあることなど全く知りませんでした。流石にsigさん博識には感嘆します。何時か覗いてみたいと思います。
by カメキチ (2012-10-27 09:36)
見事なものですね!復元されて本当に良かった。
それにしてもこんなに素晴らしいものを戦後直ぐに、しかも
GHQの事務所の壁面にって、やるな!日本人って感じですね。
当時の日本人のパワーも蘇らせたいものですね。(^_^ゞ
by 路渡カッパ (2012-10-27 10:49)
カメキチさん、こんばんは。
ずっと気になっていたものが、このような形で再現されたことはうれしい限りです。東京駅で京葉線ははずれにあって、ちょっと分かりにくかったのですが、ついでがありましたら是非どうぞ。こんな状態ですから、撮影となると偏光フィルタが必須でした。
by sig (2012-10-27 17:08)
sanaさん
kurakichiさん
tochiさん
ryo1216さん
nikiさん
ChinchikiPapaさん
お茶屋さん
ぼんぼちぼちぼちさん
こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-27 17:10)
こんなに素晴らしいものが在ったとは知りませんでした。
よく保存されていましたね。
教えていただいて有難うございます。
見に行きたいと思います。
え!あと7メガバイトですか・・・。
「時計仕掛けの昭和館」別館2を楽しみにしています。
by lamer (2012-10-27 17:11)
路渡カッパさん、こんばんは。
ほんとにそうですね。当時の担当者・制作者は「日本人の心意気を込めて、進駐軍をあっと言わせるようなものを」との気持ちで取り組んだとのこと。展示されたままならともかく、40年も陽の目を見なかったものが再現されたことはうれしいことだし、おっしゃる通り、まさに今の日本人に活を入れてくれているようですね。
by sig (2012-10-27 17:18)
江藤漢斎さん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-27 17:20)
江藤漢斎さん
セイミーさん
アヨアン・イゴカーさん
oomoriさん
八犬伝さん
gillmanさん
sun-highさん
こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-27 17:22)
lamerさん、こんばんは。
なぜか東京駅復元関係の項目としては全くと言っていいほどPRされてこなかったので、知らない人の方が多いのではないでしょうか。京葉線利用の人たちだけが知っていたくらいでしょう。ぜひ立ち寄ってみてください。ブログは大きな写真でメモリを食ってしまい、1ギガで昭和館本館よりも少ない記事本数でした。早いものでもう5年になりますので、そろそろ…と考えています。
by sig (2012-10-27 17:32)
こういうの見るの大好きです
今度東京に行く時の楽しみにしておきます^^
by くまら (2012-10-27 19:28)
コメントが入っていませんでしたので、再度。
今度今度東京へ行ったら、見るようにします。レリーフと言う制作品は、魅力があります。陰影がつきますので。作ってみたいものの一つです。
河童小僧のレリーフまだ仕上がっていません。作り始めて早4、5年くらい経ってしまいました。
by アヨアン・イゴカー (2012-10-27 22:50)
shin.sionさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-28 16:51)
素晴らしいですね、先日東京駅通ったけど全然気がつきませんでした。
ゆっくり見てみたいです。40年ぶりですか、sigさんが教えてくださらなかったら分からないままでした。
by OMOOMO (2012-10-28 16:54)
くまらさん、こんばんは。
駅地下の八重洲の案内カウンターの女性に聞いても分かりませんでした。案内が徹底されていないようです。京葉線の利用客は改札の目の前ですから毎日眺めているはずです。立ち止まって見ている人はほとんどいませんから、ゆっくりご覧いただけますよ。笑
by sig (2012-10-28 16:56)
アヨアン・イゴカーさん、こんばんは。
私もコメントを入れたつもりで入っていなかった経験があります。ここは美術品の展示としてはさすがに落ちますが、残されたことに意義があると思います。アヨアンさんならきっと何か発見があることでしょう。
by sig (2012-10-28 16:59)
flutistさん
めぇさん
masao。さん
こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-28 17:00)
OMOOMOさん、こんばんは。
丸の内側から八重洲側に抜ける地下通路のあたりからだと、有楽町側に向かって大きなビルの地下を2~3個通り越すような感じでかなり歩きます。とにかく「京葉線改札口」が目印です。
by sig (2012-10-28 17:06)
これはしっかり見に行かなければ行けませんね!
by 駅員3 (2012-10-28 18:56)
ほお!こんなに素晴らしいものが今まで日の目を見ていなかったことのほうがなんかなぁという気がする。東京駅名物になりますね。
by さきしなのてるりん (2012-10-28 22:11)
こんばんは。
復元されたレリーフ、素晴らしいですね〜
by yakko (2012-10-28 22:15)
駅員3さん、こんばんは。
はい、遠回りになるでしょうが、私からもぜひお願いします。笑
by sig (2012-10-28 23:04)
SILENTさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-28 23:05)
さきしなのてるりんさん、こんばんは。
あまりに長大な空間レリーフですから、進駐軍が居なくなった後は扱いに困ったのでしょうね。復元されても「東京駅の隠れた名物」。芸術品を見るように立ち止まって鑑賞する人は見かけませんでした。
by sig (2012-10-28 23:27)
yakkoさん、こんばんは。
まずい写真ですが、大きさはお分かりいただけると思います。長さも54メートルあるものと思われます。
by sig (2012-10-28 23:30)
yutakamiさん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-29 10:40)
suzuranさん、はじめまして。こんにちは。
ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-29 12:43)
僕のイベントが終わったら是非行ってみます~~~。
by ばん (2012-10-30 23:35)
今度(12/15)に東京駅に行くのが楽しみになりました。
by ふぢたしょうこ (2012-10-31 10:25)
karesusukiさん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-31 16:38)
ばんさん、こんにちは。
ぜひ覗いてみてください。昭和人の心意気が伝わってくると思います。
by sig (2012-10-31 16:40)
okin-02さん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-31 16:41)
ふぢたしょうこさん、こんにちは。
ははは。楽しみはうんと先にある方がいいですね。
by sig (2012-10-31 16:43)
市丸さん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-31 16:43)
CROSTONさん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-10-31 16:44)
yhiga-shiuraさん
花火師さん
こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-11-01 14:11)
すごいですねえ、これ!
見直して改めて感服しました。
当時の日本人の心意気が感じられますね。
流鏑馬などまで見事です~。
見ることが出来て、嬉しいです。
なかなか東京駅まで行くことも出来にくい生活だし、うっかりしたらよく見ないで通り過ぎちゃうかも知れませんよね。
ご紹介有り難うございました。
by sana (2012-11-02 14:00)
40年ぶりに公開って凄いですね。
地図のレリーフも見てみたいです。
長野はスキーなんだぁ。
福岡は何だろう?
by 響 (2012-11-03 06:37)
キクさん
marimoさん
グジュサさん
こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-12-10 23:36)
sanaさん、こんばんは。
私は以前記事にしたのでその後の成り行きに関心を持っていましたが、いきさつを知らない人たちはあまり関心を持たないかも。
sanaさんも機会がありましたら是非ご覧ください。
by sig (2012-12-10 23:39)
響さん、こんばんは。
地図のスケールの大きさには、びっくりです。北九州は阿蘇だったと思います。写真を入れずにすみません。
by sig (2012-12-10 23:47)
mitsuさん
月夜のうずのしゅげさん
こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2012-12-10 23:48)
東京駅は実は新しくなってからまだ足を運んでいないんですよ。sigさんのところに来ると早く行きたくなっちゃうんですけれどね(笑)。
こちらも、もう1ギガなんですか@_@ 早いですね。
私も1ギガになったらどうしようか思案中です。SEO的に結構上位にくいこめる今のブログから離れて新しいのっていう勇気がなかなかないので、有料版にいこうかなぁ。。。と。
by うさ (2012-12-19 00:57)
うささん、こんにちは。お仕事とブログと、いつも精力的な姿勢に打たれます。ブログを新しくすると一から出直しですから、うささんのように不動の地位を誇るブログの継続は有料版に向かわざるを得ないですね。いわば有名税のようなものでしょうか。笑
by sig (2012-12-19 11:28)
e-g-gさん
alba0101さん
こんばんは。ご来館ありがとうございました。
by sig (2012-12-20 17:04)
Ja-kou66さん、こんにちは。ご来館ありがとうございました。
by sig (2013-01-06 13:43)